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2017-04-22

『放置してよいわけではない』

連日の夏日が収まり、少しホッとする陽気に戻りました。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。

私ごとで恐縮ですが、今年5月で術後ちょうど10年を迎えます。抗がん剤治療を経てからの飲み薬だったため、まだ今年いっぱいはお薬を続けなくてはなりませんが。

10年前、がんと診断されてから、そしてそれがドラマなどではなく自分自身に現実に起こったことなんだ、逃れられないんだ、と思い知った時から、ネットや図書館、本屋さんでやみくもに情報をあさり始めました。

皆さんも同じように、ご自分の病気について必死に調べた経験をお持ちなのではないでしょうか。

がんになるのは今や日本人の二人に一人、という話は知っていても、どこかで自分と切り離して考えているところがあって、健康なうちから病気の知識を持ち合わせている方は少ないでしょう。
告知され、いざ調べ始めると、いろんな人がいろんなことを言っていて、情報はあふれ、ショックと相まって頭の中は大混乱。。。ですよね。

ここ数年、『がん放置療法』というキーワードをよく目にします。
(「放置」ってそもそも治療ではないわけだから、このネーミングって変!というツッコミはさておき)
その提唱者が言うには・・・
「がんには発生した直後から転移するタイプと、ずっと転移しないタイプがあり、前者は早期発見してもすでに転移しているから治療しても無駄。後者は転移する能力を持っていないため放っておいても大丈夫。従って、検診による早期発見も治療も無駄。」
というもの。

本当なのでしょうか?
そんなにはっきり分けられるものなのでしょうか?
・・・なんともスッキリしません。

今年の初め、日経新聞に連載されている放射線治療医・中川先生のコラムに、ちょっとスッキリする説明が載っていました。

タイトルは『放置してよいわけではない
その先生曰く 「がんといえど生き物です。

つまり、がん細胞は他の生き物と同様、細胞分裂して増殖しているということ。
(もともとは自分の正常な細胞から派生したものですし。)
細胞は分裂を繰り返せば繰り返すほど、元の形から徐々に変化していきます。
転移する/しない、が最初から白黒はっきり区別できて、ずっと変わらないとは考えにくいのです。
遺伝子の変異」とか「コピーミス」という言葉を聞いたことありませんか?
その遺伝子変異が積み重なり、がん細胞はやがて転移する能力を得ていく、と考えられるそうです。
時間の経過による変化
つまりがんの性格がまだ穏やかなうちに早めに手を打っておくことが肝心なのです。

また、たとえがん細胞が血液に乗って体のあちこちに移動してしまったとしても、人には免疫システムがあって、おかしな細胞があるとすぐさまやっつけてくれます。
ところが、時間が経つにつれ、がん細胞は大挙して血中に入るようになり、どれかが成功してどこかの臓器にたどり着く可能性が増えてしまいます。
時間の経過による数の増大
つまり細胞の数がまだ少ないうちに阻止した方がよいのです。

症状が全くでないがんもあるでしょうし、専門家でさえ気づかないがんもあるかも知れません。
それでも、見つけたら早いうちに対処することは、患者のあらゆる負担が少なくてすむ、ということに繋がります。

今では200個近く見つかっているがん関連遺伝子の、どれが原因となっているのかまで突き止められる時代に入っています。
昨年秋のこまねっと勉強会の講師、下山達先生がおっしゃっていたように、近い将来、部位別ではなく遺伝子別に薬を選べるようになるでしょう。

より効率の良い治療を受けることができるようになるわけですから、「放置」(=治療放棄)はもったいない。
積極的に医師に相談し、必要な治療を受けたいものです。
長文お読みくださり、ありがとうございました。


5月8日は患者サロンで「おしゃべり会」
不安に思っていること、スッキリしないこと、ご自身の体験談など、心おきなくおしゃべりしましょう。
開始は午後2時からです。
これから暑くなる季節です。ペットボトルの飲み物などをご用意されると良いでしょう。
お待ちしております!

こまねっとスタッフ

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